環境報告書2014
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地球環境とともに生物多様性の保全海の生態系を守り、水産資源の持続的な活用を目指します。水産物という海からの恵みを事業基盤とするニッスイグループにとって、生物多様性の保全は重要な使命の一つです。ニッスイグループは、環境憲章の行動方針に生物多様性の保全を明記し、海の生態系と調和する水産資源の持続可能な活用を目指しています。生態系と調和する「銀ざけ」「ぶり」の養殖事業。ニッスイグループでは、海の生態系への影響を抑える養殖技術の高度化を図っています。鳥取県の境港市では、2013年12月からグループ企業による銀ざけの養殖事業が本格操業。稚魚から一貫して育てられる銀ざけは、「境港サーモン」のブランド名で販売され、水産資源供給の新たな拠点となっています。ニッスイグループの黒瀬水産(株)では、日本初のぶりの「完全養殖」を事業化。飼育した親魚より採取した卵から生まれた稚魚(人工種苗)を育て、成魚としてから再び卵を採取します。天然の稚魚を採捕する従来の養殖法と異なり、生態系からは独立した魚の育成を可能にしています。また、水域環境への影響を抑えるため、生餌のかわりに配合飼料を開発するなど、ニッスイグループは養殖技術のイノベーションを推進していきます。まぐろ配合飼料の生産ライン持続可能な養殖業であることを証明するASC認証への取り組み。ASC認証とは、WWF(世界自然保護基金)などが2010年に立ち上げた、持続可能な養殖業であることを証明する第三者認証です。養殖による環境への影響を測定する基準づくりなどを進める円卓会議を実施しており、ぶりのセッションでは黒瀬水産やニッスイが参画。厳しい認証基準をクリアし、日本で初めてのASC認証の取得を目指しています。受精卵からぶりの人工種苗を生産している黒瀬水産 頴娃種苗センター水産資源の未来をみつめる研究活動を支援しています。ニッスイグループはまた、一般社団法人 水産資源・海域環境保全研究会(CoFRaME)の研究活動を支援しています。CoFRaMEでは、持続可能な水産資源の利用を可能にするための幅広い研究活動が行われています。その成果は学会や学術論文などを通じて発信され、水産資源の保護政策にも影響を及ぼすことが期待されます。ニッスイグループは、科学的な調査に基づきながら、グローバルな視点で生物多様性を守り、水産資源の持続的な利用を実現していきます。Environmental Report122014

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