環境報告書2015
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くらしとともに、地域とともに 「境港サーモン」始動! 銀ざけの稚魚は、内陸の淡水養殖場で200〜300gに成長した段階で、美保湾の沖合3kmにある生簀に移されます。スタッフが荒波で生簀に行けない日も給餌できるよう、自動給餌機が設置されました。魚が疑似餌を食べようと引っ張ることを「もっと食べたい」とみて制御。引っ張らなくなれば停止。600302520151055004003002001000※給餌時刻(季節に応じて設定)12月27日16:3016:4016:5017:0017:1017:2016:3016:4016:5017:0017:1017:20給餌機食欲センサー食べているので給餌餌の供給速度(g/分)引っ張り頻度(回/分)魚の食欲人手では時間をかけてじっくりと魚のペースに合わせることが難しい設定した引っ張り頻度の下限値で給餌終了誘導給餌食べるかどうか確認起動率 境港市に白羽の矢がたった理由は、まず「水温帯」でした。銀ざけの成長をうながすには、冬の水温が10℃以上18℃以下が理想的です。境港市に面する美保湾は、こうした適水温の期間が長く、銀ざけは従来に比べ1カ月以上も早く出荷できるサイズに成長しました。また、稚魚の養殖環境にも恵まれました。鳥取県には中国地方の最高峰である大山があり、清冽な湧き水が豊富です。銀ざけは稚魚を淡水養殖場で成長させるため、年間を通して水温が安定した湧き水が得られるこの地は、銀ざけの養殖に最適の環境でした。 2011年12月、三陸・女川で培った養殖のノウハウを境港市に応用し、日本初の銀ざけの一貫生産が試験的にスタートしました。特集2 山の名水から日本海の荒波へ。 ざけで、日本初の一貫生産を実現。清冽な湧き水を活かした、稚魚の淡水養殖から販売までの一貫生産。魚の食欲によりエサの量を変える、自動給餌機を導入。成長した稚魚の多くは、淡水養魚場から海面の生簀へ移動します。200〜300gに成長したら、卵を採取する種苗と、淡水で育てる「湧水サーモン」を選別します。1.0〜3.0kgに育った魚は、「境港サーモン」として出荷されます。海面養殖(境港)/11月末〜12月種苗生産出荷/4〜5月(鳥取県内4ヶ所・岡山県鏡野町・徳島県阿南町)(淡水・大山周辺)ふ化した稚魚は、鳥取県内4ヵ所の淡水養殖場で育てられます。稚魚/6月 自動給餌機は「ニッスイAqualingual®」といい、魚が疑似餌を引っ張った回数により食欲を測るセンサーを組み込み、食欲に応じて餌の量を最適化します。これにより、餌の食べ残しなどの廃棄物を削減し、海の環境への影響を排除することが可能になりました。 地球環境に配慮しながら、おいしい銀ざけを安定供給する。一貫生産体制ならではのメリットです。7Environmental Report2015

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