社会・環境報告書2016
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世界一のEPAメーカーを目指して。鹿島医薬品工場の新設茨城県神栖市にあるニッスイ鹿島工場は、「魚油」から健康に役立つ成分を濃縮・精製するファインケミカル事業の拠点です。これまで鹿島工場では、EPA医薬原料、健康食品の素材となる機能性脂質(EPA・DHA)、化粧品素材となるオレンジラフィー油などを幅広く生産してきました。レトルトスープ冷凍食品           EPA+DHA ★★★ 1日に必要な量の1/2を摂取できます7種の具材のミネストローネ切干大根筑前煮きんぴらごぼうひじきの煮つけユッケジャンニッスイは、EPAの研究・製造のパイオニアです。ニッスイは1920年に民間で初めての水産研究施設「早鞘水産研究会」を設立し、漁場の調査、漁獲した魚類の研究、冷蔵法の研究などを行っていました。その後、獲った魚を加工し販売するようになると、それに使われない内臓や、そこから採れる魚油を余すことなくすべて活用することを目指し、1934年から魚油の利用のための研究を開始しました。はじめは塗料として利用するための研究が行われていましたが、1978年に医薬としてEPAの研究が始まりました。1981年には医薬品化のため製薬会社と研究・事業化の契約を結び、EPA製剤の原料を供給するようになりました。1988年からは健康食品としてEPAやDHAを発売しています。EPAをはじめとしたさまざまな成分の抽出精製技術は現在、医薬品、健康食品、幼児用ミルク原料だけでなく、化粧品原料に至るまで活用されています。医薬原料としてのEPA生産に特化した新工場の建設。2016年1月、ニッスイは、医薬原料としてのEPA生産を増強するため、既存の鹿島工場に隣接した土地に鹿島医薬品工場を着工しました。2018年稼働を予定、年間420トンの生産を目指します。新工場は「魚油」からの高いEPA回収率を実現し、EPA含有濃度の低い原料からも高い純度のEPA製造が可能なラインとなります。製造設備は排出される水や熱エネルギーを回収・再利用できるよう対応し、施設内はLED照明を取り付け環境負荷の低減にも貢献します。また、米国の製造・品質管理基準である「cGMP(現行医薬品適正製造基準)*」を取り入れ、グローバルに拡大する市場に対応します。世界一のEPAメーカーを目指す、これからのニッスイにご期待ください。*cGMP基準:current Good Manufacturing Practice アメリカFDAが定めた、医薬品などの品質基準。隣地に建設中の鹿島医薬品工場鹿島工場全景中性脂肪を下げる成田空港東京茨城県ニッスイ鹿島工場◀9Social and Environmental Report2016

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