社会・環境報告書2016
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消費者が一緒に課題解決に取り組むことができる、提案や情報提供をお願いします。(蒲生)1980年に魚油から高純度のEPAを抽出する技術を確立しました。また、魚油には乳幼児の脳や神経の発達に必要なDHA*も豊富に含まれています。ニッスイでは医薬品向けだけでなく、高純度のEPA・DHAを原料とした、サプリメントや機能性表示食品、特定保健用食品などもお届けしています。蒲生 EPAやDHAを含む健康食品を提供することで、健康なくらしへのモチベーションを高めることもできますね。細見 ニッスイでは、血液中の酸素の運搬能力を高めるEPAの働きに着目し、「SPORTS EPA」を提案しています。EPAを活用した「食」と運動を組み合わせた生活を応援することで、日本人の健康寿命に貢献していきたいと考えています。蒲生 さまざまな健康食品がありますが、1品で問題解決ができる商品はありません。健康食品をきっかけに、バランスのとれた食生活や日常的な運動など、食品メーカーならではのトータルな提案に期待します。*EPA:エイコサペンタエン酸 *DHA:ドコサヘキサエン酸蒲生 賞味期限の話も同様ですが、生産者と消費者との距離が広がってきているから消費者が数字だけで判断してしまうのではないでしょうか。五感を鍛えるという点では現場を見ることも非常に重要です。細見 現場を見るという点ではニッスイグループの工場では小学生を対象にした工場見学を行っています。一例として姫路総合工場加工食品工場では、白衣を着てエアシャワーや手洗いなど衛生管理から始まり、工場内に入りラインの近くまで行き、できあがったばかりの竹輪を実際に食べてみる、という取り組みを行っています。また、グループ会社の山津水産株式会社では社内の「お魚マイスター」が小学校へ訪問し魚の種類やどこに骨があるかなどの授業を実際に魚を使って実施しています。朝日新聞社と提携した「『海とさかな』自由研究・作品コンクール」の開催は今年で35回目を数えます。これからも子供達にニッスイ商品や魚に親しんでもらう取り組みを進めていきます。蒲生 とても素晴らしい取り組みだと思います。実際に食品製造の現場を間近に見ることで、いかに安全性に配慮して食品が作られているか、実体験から判断できるようになります。食品をムダにせず、おいしく食べる心も育まれます。フードロスの削減のためにも、現場での取り組みを続けてください。細見 昔は家庭で魚をさばくことは当たり前で、実際に魚にふれることで理解を深めていきました。これからも子供たちに実際に現場を見てもらい、体験してもらうことで、魚食の普及に貢献していきたいと思っています。細見 私たちのCSR活動は、ようやく始まったところです。まだ手探り状態ですが、外部の意見に耳を傾け、独りよがりにならずに課題解決に取り組んでいきます。蒲生 今日お話した課題、「フードロス」「食を通じた健康への貢献」「魚食の普及」のいずれも、正しい情報提供が消費者の問題意識を育て、共に課題解決を図ることにつながります。健康な食生活をトータルに提案する企業として、消費者に対し「一緒にやりましょう」というメッセージを発信してください。細見 ステークホルダーとのコミュニケーションから、新しい気づきや活動のヒントを得ることも多いです。消費者をはじめとするステークホルダーをパートナーに、ニッスイグループならではのCSR活動を進めていきます。Profile蒲生 恵美がもう   えみ公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会食生活特別委員会副委員長消費者委員会食品表示部会委員(2016-) (公財)日本健康・栄養食品協会評議員(2016-)消費者庁機能性表示食品制度に対する消費者意向等に関する調査事業委員(2016)消費者庁「栄養表示義務化及び食品の新たな機能性表示制度創設事業」WG委員(2014-2015)消費者庁栄養成分表示に関する消費者読み取り等調査事業委員(2013-2014)などを務める。現在、ニッスイ品質保証委員会の外部委員。スペシャル対談ニッスイグループのCSRとは?実際に作っている現場を知ることから始める、魚食の普及活動。ステークホルダーをパートナーに、健康な食生活を提案します。SPORTS EPA シリーズ3Social and Environmental Report2016

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