ニッスイグループは、企業価値向上に最も重要な要素の一つは「人財」であると考えており、事業活動を通じて性別・国籍・年齢など異なる多様な人財の能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションや組織の活性化を生み出し、価値創造に繋げるとともに、互いに磨き合いながらグローバルやローカルの社会課題に積極的に取り組む人財の育成を目指しています。また、あわせてグループの従業員が安心して気持ちよく活躍できる職場や制度などの環境整備にも努めています。
ニッスイでは、その役割や職掌・年齢などに応じ、入社から退職まで一貫した教育研修プログラムを整備しています。新入社員研修以降、複数回に渡るフォローアップ研修に加え、役割等級制度で定義する上位等級に必要な知識やスキルの取得を目指し、上長や教育担当者によるOJTや階層別研修・通信教育などを整備しています。サクセッションを踏まえた選抜型教育や年齢層に応じて設定するキャリア研修、専門性を高めるための職掌別研修なども実施しており、2023年度からはDX研修にも注力しています。
ニッスイでは、目標による管理(MBO)の制度(注)を導入しており、年2回、目標統合面談と業績評価面談を定期的に行っています。評価は公正な処遇や適切な配置(異動・昇進など)を行うための判断材料として活用するだけでなく、評価のプロセスを通じて人財育成につなげることが重要な目的の一つと考えています。組織目標と個人の目標を統合し、目標と自律によるマネジメントを通じて従業員ひとりひとりが意欲的に目標に取り組み達成することで、従業員の成長と組織のパフォーマンス向上を両立させることを目指しています。
(注)MBO:Management by objectives & self controlの略称。
ニッスイグループでは、各社内部での異動に加えグループ内の出向も人財育成の手段として活用しており、当社から海外を含むグループ会社へ積極的に派遣し、責任あるポジションを経験させることで、将来当社またはグループ会社におけるトップマネジメントを担う人財を早くから育成しています。また、グループ会社から当社に出向することでグループ会社の人財育成にもつなげています。
事業ごとに次世代課長候補の要件・必要スキルを明確にし、その候補者が常にプールされている状態を目指し、役員と人事部で人財プールおよびその育成計画を審議するサクセッション会議を毎年実施しています。2023年度には、執行役員や部長のサクセッションについての議論に加え、経営者や経営幹部の計画的な後継者育成に向けた取り組みを開始しました。
若手社員については、視座を高め、仕事の幅を広げ、変化対応力を高めることを狙いとして、複数の事業・職種を経験する「育成ローテーション」を行っています。具体的には、面談とキャリア開発会議を通じて、対象となる従業員一人一人のキャリア志向を把握するとともに、強み・成長課題・適性を判断しています。異動は、取締役以上で構成する「人財育成会議」において決定されます。
ニッスイでは、グローバル人財登録制度を2016年から展開しています。この制度は、ニッスイにおけるグローバル人財を「世界中のいかなる複雑・不確実なビジネス環境においても、多様な相手と良好な関係を築き、成果を出せる人財」と定義し、将来海外で活躍するグローバル人財候補を公募または推薦により、募集し育成するものです。
将来グローバル人財となるために最低限必要なスキルを①価値創出力、②異文化対応力、③語学力とし、短期海外赴任および短期海外業務研修などへの派遣を通じスキルを習得し、海外赴任者の育成を図ることを狙いとしています。2023年度より、海外グループ会社への複数名の短期派遣を開始しました。将来の海外赴任を視野に入れた語学スキルの向上に加え、異文化理解・異文化マネジメント研修などプログラムを拡大し、着実な育成を進めています。
2023年度末時点で86名がこの制度に登録しており、2024年度には90名の登録者数を目標としています。
ニッスイでは、DX ・デジタル人財育成により、社会とテクノロジーの変化に応じた企業改革を目指しています。
2023年度、全社員を対象にアセスメントを行い、イノベーティブスキル・デジタルスキルの現状把握を実施しました。また、eラーニングを活用し、2024年度までに全社員のレベルをベーシックまで引き上げる施策を実施中です。
今後、DX人財の役割・スキル定義、アセスメント上位者の選抜育成を進め、 高度な生産性革新を可能にしていきます。