Environment 環境

生物多様性の保全



ニッスイグループは生物多様性を守ることの重要性を考え、2014年に環境憲章を改訂し、行動方針に「生物多様性の保全」の推進を謳っています。
海のめぐみを受けて事業を行うニッスイグループにとってその保全は重要です。水産資源の持続可能な利用のためには、今ある資源を管理することはもちろん、海そのものの力を維持・回復させる努力が必要となります。そのためにわたしたちが行っているのが「森・川・海」を一体と考えた活動です。
きっかけは、2011年2月にニッスイ本社で行った講演会「牡蠣が教えてくれたこと」です。宮城県気仙沼で牡蠣養殖を営む畠山重厚氏を講師にお招きし、「魚つき林」という昔ながらの漁村の人々の知恵とともに、豊かな森こそが豊かな海をはぐくむのだということを教えていただきました。
以降、わたしたちは「森・川・海」の連携保全をコンセプトにした活動を各地で行っています。






【写真】ニッスイ本社で、海を守るための植樹について話す畠山重厚氏

ニッスイ本社で、海を守るための植樹について話す畠山氏




「とっとり共生の森」への参画

おさかなをはぐくむ湧水と海を守る森

鳥取県では、ニッスイのグループ会社である弓ヶ浜水産(株)が養殖・加工事業を、共和水産(株)が漁業を営んでいます。弓ヶ浜水産の船上山採卵センターは、同県琴浦町内の大山隠岐国立公園内船上山のふもとに立地していますが、付近の広葉樹林は一部樹木の枯死もあり整備が必要な状態となっていました。
2018年10月30日、鳥取県、琴浦町およびニッスイの3者は森林保全・管理協定を締結し、付近の森林5.933ヘクタールを「おさかなをはぐくむ湧水と海を守る森」と名付けて保全していくこととしました。

【写真】調印式 おさかなをはぐくむ湧水と海を守る森

保全活動

森を守っていくためには継続的な保全作業が必要です。
ニッスイグループでは、2018年の協定以降、従業員参加型の保全活動を毎年実施しています。参加者にとって「森・川・海」のつながりを実感する貴重な原体験の場であり、鳥取県関係者との交流を通して地元の文化に親しみ、グループ会社同士での交流を深める機会ともなっています。

2020年10月17日、通算第3回目となる保全活動を行いました。
新型コロナウイルス感染症対策のため、参加者をニッスイ鳥取県内事業所、弓ヶ浜水産、共和水産関係者や鳥取県関係者等の同県内に限定し、検温やマスク着用など、鳥取県のマニュアルに基づいた防止策を講じて実施しました。また、「みどりの少年団交流集会(注)」も同日に開催され、参加した小学生3名に対してニッスイグループの事業紹介や「森・川・海」に関するレクチャーを行いました。
当日は、ニッスイグループ、鳥取県・琴浦町他関係者、みどりの少年団関係者の総勢33名の参加となり、ソーシャルディスタンスを保ちながら、約40分間下草刈りで汗を流しました。

(注):みどりの少年団:公益社団法人鳥取県緑化推進委員会が主催。次代を担う子供たちが、緑と親しみ、緑を愛し、緑を守り育てる活動を通じて、ふるさとを愛し、そして人を愛する心豊かな人間に育っていくことを目的とした団体。

【写真】保全活動
【写真】保全活動

「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)連携事業の認定

UNDB-Jは、愛知目標(注)の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取り組みを推進するため、2011年9月に設立された委員会です。その活動の一つとして連携事業の認定があり、UNDB-J構成団体や関係省庁の関連する事業において「多様な主体の連携」「取り組みの重要性」「取り組みの広報の効果」等の観点から、推奨する活動に対し審査を行っています。

2020年4月7日、ニッスイグループの「おさかなをはぐくむ湧水と海を守る森」での森林保全活動が、UNDB-Jの連携事業として認定されました。これは森林の保全により栄養豊富な湧水を保ち、多様な生物が暮らす豊かな海の形成を目指す活動で、ニッスイ、共和水産(株)、弓ヶ浜水産(株)、鳥取県、鳥取県琴浦町との協働により行われているものです。ニッスイグループはこれからも様々なステークホルダーと連携をとりながら、マテリアリティ(重要課題)のひとつ「豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する」の達成のため活動を行ってまいります。

本件のニュースリリース

(注):国連では2011 年から2020 年までを「国連生物多様性の10 年」と定めている。2010年10月に名古屋で開催された国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、生物多様性保全のための新たな世界目標「愛知目標」が採択された。

【画像】国連ロゴ

UNDB-Jのシンボルマーク

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

宇津貫緑地の保全活動

宇津貫緑地は、2011年に建設された東京イノベーションセンターに隣接する里山です。八王子みなみの地区という都心近くにありながら、ホタルが生息するなど、自然の宝庫でもあります。
2013年からは毎年、「宇津貫みどりの会」の指導のもと、事業所周辺の自然環境保全および地域社会との共生を目的とした活動を行っています。当日は、まず敷地内にあるログハウスで「森・川・海」のつながりや里山に生息する植物や動物について座学をし、その後実際に里山で下草刈りをはじめとする作業を行います。

2020年11月14日、第八回の活動を実施しました。新型コロナウイルス感染症対策のため規模を抑え、ニッスイの従業員12名の参加となりました。当日は緑地内の階段修理と下草狩りを行いました。

【写真】宇津貫緑地
【写真】宇津貫緑地
【写真】宇津貫緑地

なお、ニッスイは2015年度より「宇津貫みどりの会」の賛助会員となっています。

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

安城工場のビオトープ

安城工場では排水路を再整備する際、ビオトープを設置し、魚や水生昆虫、水草などの生態系を再現しました。さらに、このビオトープは地域の小学生の環境学習の場としても利用されています。きれいな水を守りながら、生物多様性の保全と地域社会に貢献する取り組みです。

【写真】安城工場のビオトープ
【写真】安城工場のビオトープ
【写真】安城工場のビオトープ
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

準絶滅危惧種「フエコチドリ」の保護(ゴートンズ社)

フエコチドリはIUCNレッドリスト(注1)で準絶滅危惧種(NT)に分類されており、ニッスイの海外グループ会社であるゴートンズ社が拠点を置く米国北東部ニューイングランド地方においても絶滅が心配されている小鳥です。その住処は海岸で、人や犬などの営巣地への侵入が減少理由と言われています。

ゴートンズ社のある港町、マサチューセッツ州グロスターのグッド・ハーバー・ビーチ(Good Harbor Beach)では、多くのボランティアがフエコチドリ保護活動を行っています。2018年には、ゴートンズ社のメンバーも参加した取り組みが実を結び、多くの卵が浜辺に産み落とされました。
2019年、ゴートンズ社は、グロスターの自治体やその他の活動団体(注2)と2年目となるパートナーシップを組み、繁殖期間の保護活動を実施しました。フエコチドリは5月の終わりから6月の初めにかけて産卵する傾向があります。そのため、ヒナが最も脆弱な状態にあるその生後数か月間、見守りを行うことにしました。ボランティアたちは、6~7月の毎週、月・水・金曜日の1時間、地元のグッド・ハーバー・ビーチを歩きながら見回りを行い、ビーチを行く人や犬などからヒナを保護しました。 結果、関係するすべての協力者の努力により、卵からかえった4羽のヒナのうち3羽が生き延び、浜辺から移動することができるようになりました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により住処となる海岸への立ち入りが禁止されたため、保護活動は行われませんでした。大変な状況でありますが、フエコチドリに限って言えば、立ち入り禁止の措置はその保護に良い影響を与えるのではと考えられています。

(注1):IUCNレッドリスト:IUCN(国際自然保護連合)が作成した絶滅危機にある生物のリスト。9万種の生物についての情報が掲載され、日本の環境省が作成しているレッドリストもその評価がもとになっている。

(注2):The Gloucester Conservation Department(グロスター環境保護局), Essex County Greenbelt, Mass Wildlife, Gloucester DPW。

【写真】フエコチドリ
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

オンラインイベント「LET’S おうちサンゴ!」

2020年5月30日、オンライン会議ツールを利用し、サンゴをテーマにした環境イベントを開催しました。新型コロナ感染拡大で自粛生活が続く中、全国のニッスイグループの従業員と家族、合計113名が自宅から参加しました。
今回のイベントのパートナーである株式会社イノカは、「自然の価値を、人々に届ける」をミッションに活動している東京大学発のベンチャー企業です。水槽の中にサンゴ礁などの生態系を再現する「人工生態系技術」を用いて、生態系の価値を広め、残し、活かしていくための様々な環境教育を行っています。
当日はイノカのスタッフの一人が「ハカセ」として登場。参加者は「ハカセ」の案内のもと、複数の接写カメラを通して、イノカの技術によって作られた90種類を超える生物が暮らす水槽を観察しました。また、サンゴが植物ではなくイソギンチャクやクラゲの仲間であることや、海やサンゴが直面している環境問題についてレクチャーを受けた後、オンライン会議ツールの投票機能を使ってサンゴにまつわるクイズを行いました。チャット機能を用いた質問や感想のやり取りもあり、コミュニケーションも充実したものになりました。最後には「ハカセ」から参加者に「サンゴマスター」の称号が送られました。

【写真】LET’S おうちサンゴ!
【写真】LET’S おうちサンゴ!
【写真】LET’S おうちサンゴ!
【写真】LET’S おうちサンゴ!
【写真】LET’S おうちサンゴ!
【写真】LET’S おうちサンゴ!
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課, 日本水産株式会社 人事部人事課