Environment 環境

方針と推進体制

リード文

プラスチックは軽くて丈夫な素材であり、わたしたちの生活を便利にしてくれますが、廃棄の問題や海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの社会課題に関わっています。 海のプラスチックごみや大きさが5㎜以下のマイクロプラスチックは、海洋環境だけでなく、生態系に影響を及ぼす問題として大きな注目を集めており、国際社会および国内でもその対策が急がれています。プラスチックは世界中のあらゆる海に存在し、現在でも年間800万トンが新たに海へ流出していると言われます。そして、それらの8割がペットボトルなどわたしたちの暮らしにかかわる陸由来のものであることが分かっています。

ニッスイグループはプラスチック問題への取り組みとして、漁業・養殖業で使用するプラスチック製漁具の管理徹底を進めます。生産工場で使用するプラスチック類や、製品のプラスチック製容器包装に関しては、3R+R(Reduceリデュース、Reuseリユース、Recycleリサイクル、+Renewableリニューアブル)推進と代替素材の検討を行っていきます。また、企業としてだけではなく、従業員のひとりひとりがこの問題に取り組むこととし、その活動のひとつである事業所周辺および海や川など公共エリアのクリーンアップについては、目的を、

 
  • 地域社会へ貢献すること
  • プラスチックを含むポイ捨てごみや漂着ごみを拾い、それらが海域へ流出するのを防ぐこと

と位置づけ、意識を共有しながら進めていきます。

 

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ニッスイグループ プラスチック問題に対する基本方針の策定

海洋プラスチック問題やプラスチックの使用に関する基本的な考え方を整理し、方針としてまとめました。

ニッスイグループ プラスチック問題に対する基本方針

私たちは、海洋プラスチックをはじめとする地球環境問題に取り組みステークホルダーの皆様と共に豊かな海を守ります

1)海洋への流出

漁業・養殖業で使用するプラスチック製漁具については、材質の見直しや管理の徹底によりマイクロプラスチックやゴーストギア(注)となることを防ぎます

2)事業活動での排出

生産工場では、廃プラスチックの排出量の削減とリサイクルの拡大に取り組みます

3)消費段階での排出

食品の容器包装では、品質保持機能などプラスチックの有用性を活かすとともに環境負荷の低減に取り組みます

  • 継続的な商品設計の見直しにより、プラスチック使用量を削減します
  • 植物由来(バイオマスプラ)、易リサイクル、再生素材などを使用(代替え)します
4)社員ひとりひとりの取り組み

社員が参画する清掃活動を通じて、街・川・海でのプラスチックごみを低減し、海洋環境の保全に取り組みます

 

(注):ゴーストギア:紛失したり、遺棄されたりし、海洋中に存在する漁具

制定日 2020年2月21日

system, 株式会社ニッスイ サステナビリティ推進部, 外部協力者, 株式会社ニッスイ コーポレートコミュニケーション部, 株式会社ニッスイ 人事部人事課

推進体制‐海洋環境部会/プラスチック部会

プラスチックによる地球規模での深刻な海洋汚染の進行、海洋生態系やヒトへの影響が懸念されます。また、廃プラスチックの有効利用率が低迷し、資源循環が機能しないなどの社会的な課題もあります。ニッスイは事業を通して、プラスチック問題の改善に取り組んでいます。

海洋環境部会

海洋環境におけるプラスチックのゼロ・エミッションを推進しています。

  • 漁業、養殖事業での使用プラスチックの管理実態把握と改善、コミットメント
  • マイクロプラスチックの流出実態調査と抑制活動の推進
  • 陸域での清掃および海洋漂着物等の回収活動の推進
  • 養殖における抗菌剤の使用見直し
【図版】海洋環境部会
サステナビリティ委員会
  • 委員長:代表取締役社長執行役員(CEO)
  • メンバー:全執行役員、社外取締役
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 報告先:取締役会
  • 開催頻度:年6回
海洋環境部会
  • 部会長:執行役員(水産事業副執行、養殖事業推進部管掌)
  • メンバー:常務執行役員(FC事業執行、R&D部門管掌)、執行役員(QA部門・サステナビリティ推進部管掌)、海洋事業推進部、養殖事業推進部、中央研究所
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 開催頻度:年4回

プラスチック部会

プラスチック資源の3R+R(リデュース・リユース・リサイクル+リニューアブル)を推進しています。

【図版】プラスチック部会
サステナビリティ委員会
  • 委員長:代表取締役社長執行役員(CEO)
  • メンバー:全執行役員、社外取締役
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 報告先:取締役会
  • 開催頻度:年6回
プラスチック部会
  • 部会長:執行役員(QA部門・サステナビリティ推進部管掌)
  • メンバー:執行役員(食品事業副執行)、家庭用食品部、業務用食品部、水産事業第四部、食品生産推進部、SCM部、商品開発部、原料開発部
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 開催頻度:年4回
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目標と実績

長期ビジョン「Good Foods 2030」/中期経営計画「Good Foods Recipe1」における目標と実績は下記の通りです。容器包装での使用量削減、 生産段階の排出量削減、 海洋汚染の防止の3つの観点で取り組みを進めていきます。

指標 対象範囲 実績 KPI 取り組みの詳細
2022年度 2023年度 2024年度目標
中期経営計画
「Good Foods Recipe1」
2030年度目標
長期ビジョン
「Good Foods 2030」
容器包装におけるプラスチック使用量 
( 基準年度:2015年度、単位:原単位) 
ニッスイ個別 11%削減 9%削減 10%削減 30%削減 容器包装と廃棄物
生産段階におけるプラスチック排出量
(基準年度:2017年度、単位:原単位)
ニッスイ
国内グループ
19.5%削減 16.6%削減 15%削減 30%削減
海洋へのプラスチック流出リスクの低いフロートへの切り替え ニッスイグループ 52.4%切り替え済み 71.8%切り替え済み 100% - 海洋プラスチック

【漁具の海洋への流出防止について】

プラスチック製漁具の海洋への流出が海洋環境および生態系に与える可能性のあるリスクを理解するとともに、グループ養殖・漁業会社で使用する漁具の海洋流出に関して、発生ゼロを目指します。漁具の流出が発生した場合には、これらの報告の徹底と、再発防止に取り組みます。

漁具の流出報告
地域 場所 時期 漁具の種類 個数 原因 再発防止策
日本 宮崎県 海面
養殖場
2023年8月 サイコラック
(フロート)
9個 自然災害(台風による高波の影響) 第三者による台風シーズン前の点検の実施を継続する。併せて、時化予報時に事前点検と必要に応じた修復を実施する。結束ロープの素材や太さを再検討する

対象範囲:ニッスイグループの国内・海外のすべての連結子会社(養殖・漁業会社のみ)。

漁具の海洋流出防止の取り組みはこちら

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