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環境負荷低減

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環境負荷低減

ニッスイグループはCO2、水、廃棄物を環境に関する重要3指標としています。2021年度、長期ビジョン「Good Foods 2030」および中期経営計画「Good Foods Recipe1」を策定し、環境負荷低減に関しても、より意欲的な目標を設定し、取り組みを行っています。

サステナビリティの目標(長期ビジョン「Good Foods 2030」/中期経営計画「Good Foods Recipe1」)
環境データ

system, 株式会社ニッスイ サステナビリティ推進部, 外部協力者, 株式会社ニッスイ コーポレートコミュニケーション部

CO2

CO2の排出量

【グラフ】CO₂の排出量

冷凍冷蔵設備におけるCO2の排出量削減‐冷媒の脱フロン化

ニッスイグループ全体で、冷媒の使用の見直しを進めます。2030年度、特定フロンについては使用ゼロを目標とするとともに、自社内の主要冷凍冷蔵機器のうち、新規導入する機器の100%を自然冷媒機器にしていきます。取り組みの一例となる、政府補助金事業を利用した自然冷媒への変更や、自然冷媒の新規導入の実績は下記の通りです。

  導入件数 導入事業所の例 補助金の名称の例 自然冷媒の種類の例 CO2排出削減量
(t-CO2
2020年度 6件 ニッスイ姫路総合工場ほか 令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」
CO2/NH3 1,401
2021年度 3件 日水物流ほか 令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」
CO2/NH3 1,910
2022年度 3件 日水物流ほか 令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」
CO2/NH3 344

輸送におけるCO2の排出量削減

ニッスイの国内グループ会社であるキャリーネット株式会社は、日本全国に11営業所(本社オフィス除く)を抱える運送会社です。日々ニッスイ製品を取引先に届ける役割を担っています。冷凍を中心とし、冷蔵・常温といった全温度帯に合わせた輸送が可能であり、各営業所でのエリア配送から、自社車輌および協業会社とのパートナーシップ・ ネットワークを活用した全国広域輸送までを行っています。

【 モーダルシフト(フェリー等内航船の活用)】

キャリーネットでは、通常のトラックによる輸送から、フェリー等の内航船を活用し環境負荷を低減するモーダルシフトへの転換を進めています。2021年度、 川崎~福岡間におけるモーダルシフトが、国土交通省より流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律「物流総合効率化法」に基づき、総合効率化計画として認定されました。トラックによる運送の一部を、パートナーである商船三井フェリー株式会社の主に貨物を輸送するRORO船(注1)を利用した海上輸送に転換することにより、陸送区間距離が約1,100kmから約120kmに短縮され、CO2排出量は71%削減となります。また、ドライバーの運転時間については87.4%の短縮となります。

区間 年度 モーダルシフトの乗船便数 CO2排出削減量(t-CO2
関西~福岡間
460km (注2)
2015年度 949 461.2
2016年度 896 435.5
2017年度 1,188 577.4
2018年度 1,564 760.1
2019年度 1,586 770.8
2020年度 1,586 770.8
2021年度 1,590 1,831.5
2022年度 1,573 1,731.7
川崎~福岡間
1,100km
2021年度 146 383.4
2022年度 318 777.9

(注1)RORO船(Roll-on/roll-off ship):車両を収納する車両甲板を持ち、貨物を積んだトラックやトレーラーの車両をそのまま運搬できる貨物用船舶。
(注2):2021年度より、運輸局の指導を受けて計算方法を変更致しました。

【写真】モーダルシフト(フェリー等内航船の活用)

 

【写真】商船三井フェリーのRORO船に乗り込む、キャリーネットの専用車両

商船三井フェリーのRORO船に乗り込む、キャリーネットの専用車両

【トレーラー輸送】

冷凍食品の工場デポ間で、トレーラー輸送(注1)を行い、大量輸送を実施しています。またスイッチ運行(注2)を行うことで、運転手の労働環境改善にも役立っています。

(注1)トレーラー輸送:大型車の約1.3倍積載することが可能。シートパレットは40枚の積載が可能。
(注2)スイッチ運行:ヘッドとトレーラーを切り替えて運行すること。

【二層式トラックの活用】

二層式トラックでは、仕切りにより前室が冷凍、後室は冷蔵や常温など多様な運送を実現、お客様のニーズに合わせて車両内部を最適化することが可能です。また、異なる温度帯を一度に輸送することにより、従来であれば温度帯別に複数台用意していた車両を削減できます。

生産工場におけるCO2の排出量削減/抑制

【オートメーション機器の更新によるエネルギー使用量の削減(ニッスイ姫路総合工場 加工食品工場)】

ニッスイ姫路総合工場 加工食品工場では、水産練り製品の製造を行っています。2022年度、姫路総合工場 加工食品工場では、設備投資を行い、ちくわ製造ラインのオートメーション機器を更新しました。この設備投資により、当ラインの都市ガス使用量を、前年度比で14%削減(総量)できました。

【写真】ちくわ製造ライン(焼き前)

ちくわ製造ライン(焼き前)

【写真】ちくわ製造ライン(焼き後)

ちくわ製造ライン(焼き後)

【バイオマス発電でメタンガス排出を抑制(ニッスイ八王子総合工場)】

ニッスイ⼋王⼦総合⼯場では冷凍食品、水産練り製品および調味料品の製造を行っています。2018年度より、八王子総合工場では廃⽔処理に関して、既存の酵⺟処理施設の増強として嫌気性のオゾン処理施設を導⼊しています。ただし当施設における廃⽔処理過程では、CO2よりはるかに⼤きな温室効果を持つメタンガスが発⽣してしまいます。そこで、処理過程で発⽣したメタンガスについては回収し、発電機で燃焼させるというバイオマス発電についても実施をしています。これにより廃⽔処理に付加価値を設けることができ、またメタンガスをそのまま⼤気に放出してしまうことによる温暖化の促進を防⽌することができます。そのメタンガスの排出抑制量は2,380t-CO2/年(見込み)となります。

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
バイオマス発電量(kWh) 202,982 239,250 240,300 286,557
【写真】⼋王⼦総合⼯場 バイオマス発電施設

⼋王⼦総合⼯場 バイオマス発電施設

エコカーによるCO2の排出量削減‐営業車にエコカーを導入

ニッスイでは営業車におけるハイブリッド車およびPHV車/EV車(注)の導入を進め、CO2削減に取り組んでいます。導入割合の目標および実績は下記の通りです。

(注)PHV車:Plug-in Hybrid Vehicleの略。外部電源で充電できるハイブリッド車で、バッテリー容量が大きい。電気による充電だけでも従来のハイブリッド車より長い距離を走ることができる。EV車:Electric Vehicleの略。電気自動車。

エコカーの導入状況

指標 対象範囲 2024年度
目標
2030年度
目標
実績
2020年度 2021年度 2022年度
ハイブリッド車の導入 ニッスイ個別 100.0% 100.0% 89.7% 89.7% 93.0%
PHV車/EV車の導入 - 10.0% - - -

集計範囲:ニッスイ個別

再生可能エネルギーの利用

ニッスイグループ全体を対象とし、再生可能エネルギーの利用拡大を進めています。太陽光発電設備の設置を可能な限り検討し、PPA(注)の導入と合わせて取り組みます。

(注)PPA:Power Purchase Agreement。自社で自社で設備投資を行うのではなく、 電力販売会社と再生可能エネルギーで発電された電力の購入契約を結ぶ。

太陽光発電量

【グラフ】太陽光発電

【写真】太陽光発電設備(タイデルマール社)

太陽光発電設備(タイデルマール社)

水素燃料電池を導入した養殖給餌漁船の開発と実証事業に参加

ニッスイグループの黒瀬水産(株)が参加する「魚類養殖における水素燃料電池を導入した養殖給餌漁船の開発と実証」が、水産庁の「養殖業シナジービジネス創出事業」に採択されました。この事業は一般社団法人海洋水産システム協会を代表機関とし、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所と黒瀬水産の3者でコンソーシアムを設立し、養殖業の成長産業化・脱炭素化に向けてカーボンニュートラルな養殖業への転換を推進するため、養殖作業に従事する漁船(養殖給餌漁船)の動力源を化石燃料から水素などの非化石燃料に転換することを目的に、水素燃料電池を搭載した養殖給餌船の技術開発、建造、現場での実証実験を行います。養殖業では、漁船からのGHG排出量の削減が持続的な水産業を構築するうえで重要な施策とされており、今後もこのような新しい技術開発に積極的に取り組んでいきます。

【事業目的と内容】

  • 水素燃料電池漁船のエネルギーシミュレーションにより、給餌などの養殖作業を確保する機器選定・配置した船型とし、「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に基づく水素燃料電池を動力源とした養殖給餌船を開発する
  • 実証船は16トン型、推進出力250キロワットの給餌養殖漁船を建造予定
  • 約90日の実証実験を通じて問題なく運航や給餌作業が実施できるかの実用性の検討や、航続距離・船速・操業可能時間などのデータを収集、既存船との経済性の比較など、今後の水素燃料電池船導入に向けた課題の抽出と整理を行う
【写真】黒瀬水産の給餌船

現在使用されている給餌船

system, 株式会社ニッスイ サステナビリティ推進部, 外部協力者, 株式会社ニッスイ コーポレートコミュニケーション部, 株式会社ニッスイ 人事部人事課

水の使用量

【グラフ】水の使用量

生産工場における水の使用量削減

【チラー(冷却水循環装置)への切り替えなどによる水使用量の削減(モガミフーズ)】

ニッスイのグループ会社であるモガミフーズでは、冷凍調理製品の製造を行っています。2022年度、モガミフーズでは、具材ラインの真空冷却機を更新しました。その際、屋外機についてもクーリングタワー方式からチラー方式に切り替えし、不要となったクーリングタワー1台を撤去しました。それまでクーリングタワーでは蒸発による水の損失が発生していましたが、この切り替えによりその問題が解消され、水の使用量を削減できました。またその他、製造ラインで使われている部品変更なども行い、それらの取り組みも合わせると、合計約2,200㎥/年の使用水削減につながりました。

【写真】チラー(冷却水循環装置)

チラー(冷却水循環装置)

水リスクの評価

TCFDのシナリオ分析において、水リスク評価のグローバルスタンダードのうち、世界資源研究所(WRI)のAqueduct(アキダクト)を用いて、国内・海外の生産・物流拠点別に洪水リスクと渇水リスクの評価を行いました。今後は継続的に使用水の削減に取り組むとともに、水リスク評価方法の精緻化についても検討を進めていきます。

TCFD提言への取り組み>戦略におけるシナリオ分析の概要>水リスクの評価

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廃棄物

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