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CSR調達

ニッスイグループはCSRのマテリアリティ(重要課題)の1つに「豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する」を掲げ、2030年までにニッスイグループの調達品について持続可能性が確認されていることを目指しています。
水産資源の利用と調達では、資源の持続と労働における人権課題の解決が求められています。私達は全てのサプライヤーとの協働により、人権を尊重した持続可能な調達を推進します。

ニッスイグループ調達基本方針の策定

原材料、または製品を調達する上で基本的な考え方を整理し、方針としてまとめました。

ニッスイグループ調達基本方針

私たちニッスイグループは、創業の理念に基づき、「地球や海の恵みに感謝し、5つの遺伝子から多様な価値を創造し、事業を通じて社会の課題解決に取り組む」ことを宣言しています。
そこで、原料等の調達においてもステークホルダーの期待に応え、社会貢献に寄与できるよう、CSR行動宣言を踏まえて「ニッスイグループ調達基本方針」を策定しました。
私たちニッスイグループは、本方針に従って、お取引先のご理解とご協力、ご支援を仰ぎながら、信頼関係に基づく調達を推進してまいります。

1)調達原則
  1. 1.お取引先は、品質、コスト、デリバリー、サービスを総合的に勘案し選定します。
  2. 2.新たなお取引先に対しては、等しく門戸を開放します。
  3. 3.規格保証書の入手と相見積もりにより、適正な品質、価格で取引を行います。
  4. 4.安全性の担保と品質の向上を前提としたコストダウンを積極的に推進します。
2)遵法・調達倫理
  1. 1.日本や関係各国の法令・ルールや社内規則を遵守します。
  2. 2.お取引先と交わした契約を誠実に履行します。
  3. 3.お取引先から知り得た情報の重要性を理解し、機密を保持します。
  4. 4.公正・公平な対応、透明性の高い手順によってお取引先との信頼関係を築きます。
  5. 5.不適切な利益供与や受領等の不正行為を排除します。
3)環境配慮
  1. 1.地球や地域の環境保全に配慮されている原料等の調達を推進します。
  2. 2.原料等の調達では、持続可能性、生物多様性、生態系の維持に配慮されていることの確認に努めます。
  3. 3.資源、エネルギー等の循環利用に配慮されている原料等の調達に努めます。
4)人権配慮
  1. 1.強制労働、児童労働、従業員の非人道的扱いに関わる原料等でないことを要請します。
  2. 2.従業員の連携の自由を尊重し、差別のない職場から供給される原料等の調達に努めます。
  3. 3.労働安全、衛生管理が適切な職場から供給される原料等の調達に努めます。
5)お取引先との協働
  1. 1.重要なビジネスパートナーとしてお取引先と密接に協働します。
  2. 2.お取引先に本調達方針をご理解いただき、ご支援とご協力を仰ぎます。
  3. 3.お取引先からの様々なご提案については、真摯に検証、検討します。
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

サプライヤー行動指針

お取引先と協働して、持続可能な調達を行う為、サプライヤー行動指針を策定しました。この指針は、「遵法・調達倫理」「環境配慮」「人権配慮」「お取引先様との協働」「品質・安全性確保」「情報セキュリティ」「社会貢献」の7つの大項目から構成されています。

サプライヤー行動指針(88KB)

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

推進体制‐サステナブル調達部会

サステナブル調達部会は、執行役員(水産事業執行)を部会長として、原料開発部、水産事業部門、食品生産推進部、品質保証部、CSR部(事務局)の部長、課長で構成しています。

【図版】推進体制‐サステナブル調達部会

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課, 日本水産株式会社 人事部人事課

CSR調達推進体制

ニッスイグループ調達基本方針、サプライヤー行動指針のもと、ニッスイグループが関わるサプライヤーでの人権・環境リスクを排除する為、3つのチェック体制でCSR調達を推進しています。
これら3つのチェック体制により、ニッスイグループとお取引のあるサプライヤーの現状を確認・把握し、リスクがあると判断されれば一緒にその現状を改善していきます。ニッスイはサプライチェーン全体で持続可能な調達を目指します。

ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート

お取引金額が多い、依存度が高い等、ニッスイグループにとって関係性の深いサプライヤー向けのセルフチェックシートです。「遵法・調達倫理」「環境配慮」「人権配慮」「品質・安全の確保」「情報セキュリティ」「社会貢献」の項目から成り、サプライヤーに自社の取り組み状況を答えていただきます。特に環境と人権に重きを置いた質問構成となっており、全132項目から成ります。このセルフチェックシートにお答えいただきたいサプライヤーに向けては、説明会を実施しています(CSR調達説明会)。

新規サプライヤー向けCSR購買取り組みチェックシート

これからニッスイとお取引を行うサプライヤーに向けたチェックシートです。ヒアリング形式で行い、CSRの基本的な内容で17項目の質問から成ります。ニッスイのCSR調達の考え方と目指すべき姿に同意をいただき、一緒に協働いただける意思確認が目的です。

訪問チェックシート

既にお取引がある、商社以外の全サプライヤーを対象としたチェックシートです。項目はCSR調達で特に重要視する「人権配慮」に絞り9項目ですが、ニッスイ従業員による現地・現物確認です。

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

CSR調達説明会

初めて「ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート」に回答いただく国内サプライヤーに対して、事前説明会を実施しています。「ニッスイグループ調達基本方針」「サプライヤー行動指針」を含むニッスイグループのCSRの取り組み、また「ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート」の主旨をお伝えするほか、外部講師を招いて「水産・食品の調達で求められるCSR」の講演を実施、CSR調達の基本的な考え方を共有します。
2020年度は説明会の代わりに説明動画を作成して、セルフチェックシートに回答いただく全てのサプライヤーに配信しました。

【写真】ニッスイグループCSR調達説明会

ニッスイグループCSR調達説明会

説明会(説明動画)でお伝えすること(抜粋)

  • サプライチェーン全体を通したCSR調達の意義
  • 環境活動の重要性(環境負荷低減・グリーン購入)
  • 児童労働や強制労働など人権課題の共有
  2019年度 2020年度
説明会参加サプライヤー数(うち海外サプライヤー数) 16社 36社(4社)
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

その他の取り組み実績と目標

2020年度は国内外36社(新規:23社、再調査:13社)に「ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート」に回答いただきました。回答結果は集計しグラフ化するだけでなく、「人権配慮」と「環境配慮」への認識・取り組みに焦点を当てたコメント付きのフィードバックシートを返却し、各社へ今後取り組みを強化いただきたい点をお伝えしました。さらに、回答の意図と実態を確認するため、サプライヤー6社に対しオンラインでヒアリングし、各サプライヤーの課題とそれに対する改善アドバイス、他サプライヤーの好事例共有を行いました。
また、現在セルフチェックシート対象サプライヤー以外のサプライヤー向けにWebチェックの仕組みを構築中です。今後は、2025年までにセルフチェックシートとWebチェックで、既に取引のある全一次サプライヤーの確認を終了させる計画です。

  2018年度 2019年度 2020年度
ニッスイCSR購買取り組みセルフチェックシート 実施社数
(うち再調査社数)
32
(-)
33
(14)
36
(13)
訪問チェックシート 実施社数 未実施 5 未実施
新規サプライヤー向けCSR購買取り組みチェックシート 実施社数 未実施 未実施 未実施
system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

持続可能なパーム油の調達

パーム油はインドネシアやマレーシアなどの熱帯地域で栽培されるアブラヤシの果実から得られる植物油です。パーム油の生産地では農園開発に伴う熱帯林の伐採や森林・泥炭火災、生物多様性の損失、また労働者の安全面や人権面の課題など様々な問題が指摘されています。
ニッスイグループでは2017年8月に策定したニッスイグループ調達基本方針のもと、環境や人権に配慮した原材料調達に取り組んできましたが、パーム油固有の課題解決、また持続可能なパーム油の調達を推進するため、2021年1月にRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)に加盟しました。
RSPOへの加盟を機に、持続可能なパーム油の調達に取り組んでいきます。

【ロゴ】NISSUI→DFF RSPOロゴ

 

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課, 日本水産株式会社 人事部人事課

ゴートンズ社の持続可能な調達プログラム「Gorton’s Trusted Catch」

ニッスイの海外グループ会社であるゴートンズ社(米国)は、自社プログラム「Gorton’s Trusted Catch」にて、事業における様々な分野の調達段階(原材料、エネルギー、容器包装資材)で持続可能性を向上させることを約束しています。

【ロゴ】Gorton's Trusted Catch

水産品の調達

水産品を使った冷凍食品の製造を行う会社として、サプライヤーと協力しながら持続可能な水産品の調達に取り組んでいます。

2020年の取り組み
  • 自社で調達した水産品に関して、持続可能な資源(MSC、BAP、 ASC、FIP(注1))から調達した割合99%超を達成
  • 自社で調達した養殖による水産品に関して、BAP2スター以上100%を達成(BAP 4スターに関しては71%)
  • 西ベーリング海のスケソウダラに関するFIPを支援
  • ロシア産サーモンに関するFIP連合設立を競合他社とともに支援
  • アラスカ産スケソウダラに関する混獲調査をサプライヤーと協働し実施
2021年の目標
  • WWFが後援するエクアドル天然エビに関するFIPの支援計画を実行
  • 西ベーリング海のスケソウダラに関するFIPの支援継続。目標は冷凍ブロック500,000ポンド/年の購入
  • ロシアのサーモンFIP連合で交わした覚書を実行し、MSCおよびFIPのサーモンの割合増加
  • THESISスコア(注2)を平均5%向上(対Walmart、Kroger、Aholdなど)
  • アラスカ産スケソウダラの混獲削減に関するベストプラクティスを策定
  • 自社が調達する養殖水産品に関して、BAP2スター以上100%を維持。また、4スターの割合に関しては2022年までに全体の85%、2023年までに全体の95%に増加させる。

(注1)FIP:漁業改善プロジェクト。漁業に関わるステークホルダーが協力し、持続可能性の向上を図るもの。Conservation Alliance for Seafood Solutions「FIPガイドライン」に示された段階的取り組みが必要となる。
(注2)THESIS:The Sustainability Insight System。製品のライフサイクル全体にわたって情報が収集・分析されている。サプライヤーは、自社のスコアやランク付けを確認し、改善の機会につなげることが推奨される。

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課

キング・アンド・プリンス・シーフード社の取り組み

ニッスイの海外グループ会社であるキング・アンド・プリンス・シーフード社(以下K&P社)は、アメリカで水産品を中心とした冷凍食品の製造・販売を行っています。同社は事業運営においてFairness(公正さ)を重要視しており、同社の水産物の製造に関わるサプライヤー対して、強制労働を含む不公正な労働が行われていないことを示す誓約書への署名を求めています。2019年12月末現在で58のサプライヤーが署名を行いました。また、労働環境に関する独自の監査を行っているほか、2020年にはSEDEX(注)に加盟し、K&P社のCSR調達に対する信頼性を高める取り組みを進めています。

(注)SEDEX:社会・環境面に配慮された事業慣行の推進を目指し活動しているイギリスのNPO組織。世界最大級のサプライチェーン管理システムを運営しており、世界150カ国、50,000を超える企業や組織が会員となっている。

system, 日本水産株式会社 CSR部CSR課, 外部協力者, 日本水産株式会社 広報課, 日本水産株式会社 人事部人事課

ニジコ社の取り組み

ニッスイの海外グループ会社であるニジコ社(ベトナム)では、SMETA監査(注)に取り組んでいます。2020年2月に監査会社による事前調査を実施し、以下のような課題や問題点の洗い出しを行い、改善をスタート、2020年11月にSMETA監査に合格しました。 ①時間外労働、深夜作業の停止 ②定時作業時間を10時間から8時間(週48時間)に変更 ③土曜日を定休日に指定 ④女性(妊婦、幼児)に対するケア(休憩と補助金)を設定 ⑤給与計算システムの導入 ⑥年次有給休暇の制度導入 ⑦指紋認証システム導入(作業時間の把握) ⑧男女別の医務室設営 ⑨労務関連文書の更新 ⑩防災チームの再編  ⑪安全通路、非常口の明示 ⑫危険個所の注意掲示(電気、高温) ⑬消防設備の改善(警報システム)

(注):SMETA 監査(Sedex Members Ethical Trade Audit)とは、世界の大手小売・食品企業が参画し、グローバルサプライチェーンにおける企業倫理の向上を目的として策定された監査スキーム。

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