ニッスイグループは、2030年までに多様な人財を活かしその能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造に繋げている状態になることを目指しています。多様性を積極的に取り入れることが組織の活性を促し、事業の発展にもつながると考え、事業活動を通じてグローバルやローカルでの社会課題に積極的に取り組む人財の育成を進めます。さらに、その取り組みを通して多様な人財が互いに磨き合い活躍できる企業を目指します。
ダイバーシティ部会の傘下に、従業員中心とした「仕事と育児の両立」と「障害がある人の働き方」の2つのワーキングコミュニティを立ち上げ、取り組みを開始しています。執行役員を部会長として、各ワーキングコミュニティのメンバーが参画することで、多様な人財の力を引き出す組織づくりを推進しています。
長期ビジョン「Good Foods 2030」/中期経営計画「Good Foods Recipe1」における目標と実績は下記の通りです。ダイバーシティ&インクルージョンを進めることで、多様な人財が道を切り拓く骨太な組織風土を醸成したいと考えています。
指標 | 対象範囲 | 実績 | KPI | ||
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2022年度 | 2023年度 | 2024年度目標 中期経営計画 「Good Foods Recipe1」 |
2030年度目標 長期ビジョン 「Good Foods 2030」 |
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女性幹部職比率 | ニッスイ個別 | 6.8% | 6.6% | 10% | 20% |
執行役員および部長の女性比率 | 3.1% | 3.1% | 10% | - |
2030年のありたい姿の実現に向けて、従業員を中心としたワーキングコミュニティの活動の他、育児休職だけでなく介護や病気等で休職者が出た時に、従業員が安心して休職できる職場づくりを考えることを目的として、各職場で対応策を話し合う場(職場ミーティング)を実施するなど、休職時の職場の体制づくりや休職について一人ひとりが自分事として捉える風土醸成にも取り組んでいます。
また、多様な人々と向き合うためのマインドやアクションを学ぶ機会として、ユニバーサルマナー検定を開催するなどインクルーシブな組織づくりに向けて取り組んでいます。
女性社員がライフイベントの有無に関係なく活躍できる組織風土づくりを目指しています。そのために、女性社員のありたい姿の実現に向けたキャリア形成支援、出産などのライフイベントを経験しても成長し続けることができるよう仕事と育児の両立支援にも取り組んでいます。
ニッスイは、女性社員が活躍できる雇用環境の整備を行うため、第3期行動計画(計画期間:2022年4月1日~2025年3月31日)を2022年4月に策定・公表しました。
厚生労働省「女性の活躍・両立支援総合サイト」のニッスイの行動計画
管理項目 | 目標 | 2022年度 | 2023年度 | |
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採用者に占める女性比率 | 50% | 34% | 36% | |
大卒以上 | ‐ | 41% | 57% | |
管理職に占める女性の比率 | 10%以上 | 7% | 7% | |
執行役員および部長に占める女性の比率 | 10%以上 | 3% | 3% |
2021年1月18日、ニッスイは30% Club Japan(サーティパーセントクラブ・ジャパン)の活動趣旨に賛同、参加しました。
30% Club Japanは、企業の意思決定機関における健全なジェンダーバランスは、企業のガバナンス強化はもちろん持続的成長の促進、国際的競争力の向上、ひいては持続可能な日本社会の構築に寄与するという考えに基づいて、TOPIX100の女性役員割合を2020年7月末時点で12.9%のところ2030年を目途に30%とすることを目標としています。
30% Club JapanのコミュニティTOPIX社長会では女性の活躍を阻む本質的な課題について議論を開始、課題の解決につながるアクションを参考にし、ニッスイにおいても執行役員・部署長の女性登用に関して数値目標を定め、女性の経営参画に向け活動を推進しています。
ニッスイでは、管理部門、工場、営業など約30の幅広い職場において障害(注1)がある従業員が働いています。障害種別はさまざまですが、一人ひとりの特性や強みを活かしていけるよう、各部門の担当者、人事課スタッフが協働し、合理的配慮の提供(注2)をはじめとした多面的なサポートを行うことで、安心して働き活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
ニッスイの障害者雇用は社会貢献ではなく、「成長と活躍」が重要なキーワードです。そして「障害がある従業員の声を活かす」プロセスを大切に取り組んでいます。
(注1)「しょうがい」の表記について:ダイバーシティ部会で障害のある従業員も議論に参画し、障害は人ではなく環境や社会の側にあるという社会モデルに基づき、「障害」表記で統一しています。
(注2)合理的配慮の提供:障害のある人(手帳保持者に限らない)から、「社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応を必要としている」との意思が伝えられた時に、負担が重すぎない範囲で対応を行うこと。障害者差別解消法で事業者の義務として定められている。
集計範囲: ニッスイ個別
2023年度、障害がある従業員も議論に参画し、ダイバーシティ部会において「障害者雇用のありたい姿」および「ありたい姿に向けた指標」を掲げました。
それぞれが能力を発揮しやすい環境を共に作り、
その活躍に報いて更なる成長を促すことで
障害がある従業員を含む
会社全体の幸福に繋がっていること。
2016年に発足した、障害がある従業員で構成する「ビジネストラストチーム」は、各部署の価値創造につながる時間を生み出すことをミッションとしたチームです。約20の部署と多様な業務提携を行い、DE&I推進に貢献しています。「成長と活躍」の方針のもと教育育成に注力し、部署に常駐して業務遂行するステップアップメンバーの拡大も強化しています。
障害がある従業員と「合理的配慮シート」等を活用しながら、本人の自己理解と特性の言語化、周囲への説明を考える機会として、丁寧なコミュニケーションで進めています。本人と職場にフィットしたものになるよう、適宜見直しも行っています。
また、社内で実施した「合理的配慮説明会」では、障害がある従業員自らが上長とともに登壇し、特性を活かした働き方や、自己対処と配慮点のバランスについて語るなど、事例からの気づきや学びが得られるとして好評を得ました。
「合理的配慮説明会」資料より抜粋
従業員の障害者手帳取得に関する相談にも、専門職スタッフが随時対応しています。職場の環境調整をはじめ、地域の福祉サービス利用案内など安心して働くためのサポートを行っています。
環境適応とスムーズな業務導入を目的とし、入社時・オンボーディング研修をスタートしました。マニュアルも豊富に揃えています。現在は本社ビジネストラストチームでの実施ですが、順次各雇用部署での実施展開を進めていきます。また、他部署での学び・気づきを自部署に活かす「他拠点研修」の実施など、障害がある従業員自身が成長し活躍するための施策や、社内の雇用事例共有、担当者会議による相互理解促進の機会も年々充実してきています。
2024年度は、障害がある従業員むけ・上長担当者むけに「働く充実度・満足度調査」を実施しました。「精神的にも身体的にも安心して働けているか」「チャレンジの機会があるか」「相談しやすい環境か」など設問に対する回答を分析し、それぞれの声を活かした施策に繋げています。
障害の有無に関係なく、お互いの多様性を受け入れ、認め合うことで、社員一人ひとりがその能力を最大限発揮できる会社作りを目指して活動しています。障害者がある従業員自らが働くストーリーを語る「ランチタイムオンライン座談会」の実施や、誰もがわかりやすく働きやすい「業務の標準化」の取り組みなど、ニッスイDE&Iの前進を支えています。
障害あるなしに関係なく、ステップアップに挑戦ができます。一人ひとり進むスピードは異なりますが、年々正社員として活躍する登用実績も増えており、キャリアパス整備を進めています。
障害がある従業員の成長と活躍を支えるのが、雇用部署の上長・担当者です。「障害者職業生活相談員」や「精神・発達障害者サポーター」が順調に増えています。社内外ネットワーク(グループ会社含む)を通して、それぞれの事例や取り組み、悩みや課題の共有、サポートの学び合いの場を設けています。
専門職スタッフによる「合理的配慮相談窓口」「グループ相談窓口」を設置しており、さまざまな相談にチームで対応しています。
ニッスイ障害者雇用に関するお問い合わせ jinji02@nissui.co.jp
高齢者の安定した雇用確保が求められるなか、定年退職後ニッスイで働く意欲を有する方を再雇用しています。
担当する業務については再雇用および契約更新の都度、対象者の能力・適性・業務経験などを勘案した上で見直しを行い、処遇についてもそれに見合ったものとしています。ニッスイは、長年培われた経験や高いスキルを持ったシニア世代が、活躍できる環境を引き続き提供してまいります。