Social 社会

労働安全衛生​

基本的な考え方

ニッスイグループ安全宣言

2023年度に、社長からグループ会社を含む全従業員に向けて「安全最優先」の理念の実現に向けたメッセージを発信しました。また、2024年2月29日に開催した国内グループ会社を対象とする安全大会の場において、改めてその考え方を「ニッスイグループ安全宣言」として表明しました。ニッスイグループはこれに基づき労働安全衛生活動を展開しています。

ニッスイグループ安全宣言(PDF)191KB

system, 株式会社ニッスイ サステナビリティ推進部, 外部協力者, 株式会社ニッスイ コーポレートコミュニケーション部, 株式会社ニッスイ 人事部人事課

推進体制‐労務安全衛生部会

各事業所の安全衛生委員会を統括する部署を事業毎に定め、統括部署の部署長を部会員とする「労務安全衛生部会」を経営基盤リスク委員会の傘下に設置しています。四半期ごとに部会を開催し、グループ会社も含めて「労働安全」「労働時間」「ハラスメント」に関する諸課題について取り組んでいます。また、安全衛生委員会の設置率に関しては、法令にのっとり、従業員数50人以上の国内の事業所において100%となっています。

【図版】リスクマネジメント体制

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労務安全衛生部会の取り組み

全体方針

労務安全衛生部会では、人事部が事務局として、国内ニッスイグループ全体の労働災害の発生傾向について、災害型別、重篤度、発生頻度などの観点を中心に取りまとめ、各部門へ共有、全社への注意喚起を通じて類似災害の防止を図っています。また、各部門においては、年度毎に重点課題と活動計画を策定、部会にて定期的な進捗報告を行い、取り組み内容を横展開することにより、安全体制の強化につなげています。

実施年度 取り組み内容
2022年度
  1. 1. ニッスイグループ安全方針の浸透(各事業所トップによる安全メッセージの発信、経営トップの現場巡回への参加強化)
  2. 2. 労働安全衛生マネジメントシステム体制の構築・強化(外部認証(ISO45001など)取得を視野に入れた労働安全衛生マネジメントシステム手法の導入および定着化) 
  3. 3. グループ連携強化 (グループとしての経験値やノウハウの最大限活用)
  4. 4. 現場主義活動の活性化(安全に対するモチベーションUPと危機意識の醸成) 
2023年度
  1. 1. 注力ポイントを定めた全体活動の推進と事務局機能の強化(過去の災害傾向を踏まえた注力ポイントの策定および予防管理の完遂、新人教育の平準化と強化、災害頻発事業所へのフォロー、事務局パトロールによる現場視察)
  2. 2. ニッスイグループ安全方針の浸透(各事業トップによる社内安全宣言、安全最優先の考え方の浸透、経営トップの現場巡回への参加強化)
  3. 3. 労働安全衛生マネジメントシステムに沿った安全活動の着実な実施(部門別PDCAサイクルの確実な運用、外部認証(ISO45001)取得に進む企業へのフォローと事例の横展開)
  4. 4. 現場自主活動の活性化とグループ連携強化(安全大会、活動表彰を通じた各社間の交流と安全担当者のモチベーション維持・向上、災害発生時の速やかな共有、対策の横展開による類似災害の防止)
2024年度
  1. 1. 重篤災害対策への注力
  2. 2. 新人/中堅教育・安全意識の再強化
  3. 3. 養殖事業の安全レベル向上

全体活動

2021年度より、グループ全体活動として、社長、役員、労務安全衛生部会員、グループ各社における安全管理トップおよび安全担当者が参加する「ニッスイグループ安全大会」を毎年開催しています。
大会では社長から、ニッスイグループ全従業員に向けたメッセージとして「ニッスイグループ安全宣言」を発信し、安全管理者・現場従業員ともに如何なる場面においても、安全を最優先することを伝え、「労災がなく誰もが安全・安心に働くことが出来る職場」の実現に向けて、安全の重要性に対する認識を揃える機会としています。
また大会の場では、安全活動表彰として、多様な事業部門をもつニッスイグループ各社の安全活動のうち特に優れた活動を大会の場で表彰し、好事例を各社に横展開することでグループ全体での安全活動の活性化を図る機会とするとともに、外部講師による労働安全衛生に関する講話の時間を設け、全社の安全管理水準の底上げを図っています。

2023年度部門別の取り組み

各部門における取り組みの具体例としては「母国語が多岐にわたる外国籍労働者に対し、教育ツールの翻訳に加え、言語に頼らないピクトグラムを用いた安全教育の拡充」「事業所における安全意識の向上を目指した従業員からの安全標語の募集」「リモート手段を利用したテレビ会議の開催による進捗管理」などを行っています。

部門 取り組み内容
食品部門 食品加工
  • 計画的な安全パトロール実施(重篤災害、指摘の多い工場から優先し巡視)
  • eラーニングによる安全教育(四半期ごと)
  • 工場自主点検による危険箇所、危険状態の改善、共通性の高い指摘事項を基にした作業行動チェックの実施
  • 労働安全衛生法改正への順守状況の確認
チルド
  • 転倒災害、挟まれ巻き込まれ災害の再発防止(ビデオ上映、クロスパトロール等実施)
  • 安全作業動作の定期チェック
  • 安全衛生委員会の活性化(全員参加による安全活動展開)
水産部門 水産加工
  • 工場外の安全メンバーの定期訪問による5Sチェックと改善提案。工場担当者との目線合わせ。昨年度災害件数が多い工場の安全パトロールに参加
  • 他社事例、新人教育資料の共有
養殖
  • 安全衛生活動の促進(安全衛生委員会への参加)
  • 新しい事業所の安全管理レベルの底上げ
  • 潜水訓練講習の促進
海洋
  • 各社、各船毎の安全パトロールの確実な実施とアクションの実行
  • 安全衛生活動や委員会を通じ、社員、乗組員、工員の安全衛生意識の継続的向上を図る(海洋部門安全定例会議の活用)
  • KYT、5S、災害分析、リスクアセスメント、コンプライアンス、ハラスメント対策など予防対策を行う
ファインケミカル部門
  • 過去の労働災害や事故事例の見直し
  • 教育訓練は座学のみならず、体感教育を実施する
  • ヒヤリハット報告や安全パトロール指摘事項は早期に改善する
  • つくば、鹿島、北海道ファインケミカル3事業所の情報共有
物流部門
  • フォークリフト操作・知識向上(操作訓練、失敗事例共有)
  • デジタルタコグラフを用いて運行データを収集分析し、走行速度・連続運転の監視
  • 2024年度問題を見据えた運行(拘束時間)の適切化(モーダルシフトの拡大)
研究開発部門
  • 安全パトロールおよび職場巡視
  • ヒヤリハット強化の継続
  • 他部署事例紹介や外部講師による安全教育等の実施

事業(新規・既存)におけるリスクアセスメントの実施

国内グループの生産工場では、化学物質の取り扱いや機械受け入れ時など、法律で実施が定められている場合はもとより、定期的に工具・機械設備・作業方法等に対するリスクアセスメントを実施しています。災害に至るプロセスを言語化することで、内在するリスクを明確にした上で、そのリスクレベルについて、ケガの重大性や緊急度などの観点から評価・検討し、災害防止に向けた適切な対策を講じています。これに加えて、各部門の統括部署が直営事業所および国内グループ各社の安全パトロールや安全衛生委員会に参加し、リスクアセスメント等の手法や考え方の教育を行うなど、自主的なリスク低減活動の推進をサポートしています。
また、部門ごとに関連するグループ会社が定期的に集まって安全活動について報告・情報共有を行う定例会議や、全部門の統括部署担当者が集まる毎月の安全担当ミーティングを通じ、グループの災害発生状況、部会活動計画の進捗共有、水平展開すべき重大事故への対策共有や、横展開すべき好事例や失敗事例などの経験や知恵の蓄積を行うことでグループ全体の安全管理レベル向上を図っています。

安全教育

国内グループの生産工場では、受け入れ時(入社、配属)はもとより、日々のKYT活動やOJT教育、掲示物による注意喚起(ピクトグラム等)、朝礼でのヒヤリハットや他社災害事例などの周知等の機会を通じて、従業員に安全教育を行っています。また、新入社員への労働安全衛生に関する研修や交通安全講習を実施するほか、全国キャンペーン(全国安全週間・労働衛生週間・年末年始等)に合わせて、国内グループ会社での安全啓蒙活動を強化しています。
さらに、ニッスイの食品生産工場では、「安全教習所」と銘打ち、コンベヤーの巻き込まれ体感機や、指差呼称体感機などを用いた安全教育を実施し、従業員の安全意識向上を図っています。

外国人労働者の労働環境の確認

【写真】姫路総合工場 巻き込まれ体感

巻き込まれ体感機

【写真】姫路総合工場 安全教習所で指差し確認

安全教習所での指差し確認

【図】ピクトグラム_挟まれ

ピクトグラムの例(挟まれ)

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労働安全衛生の監査

労働安全衛生マネジメントシステムISO45001認証の取得

ニッスイは国内の事業所においてISO45001認証の取得を進めています。当認証の取得を通し、従業員への安全で健康的な労働環境提供の提供に努めます。
2021年1月に、ファインケミカル総合工場つくば工場がニッスイとして初めてISO45001認証を取得し、2023年度に養殖部門グループ1社が認証を取得しました。引き続き、従業員とともに労災ゼロの工場を目指して労働安全衛生への取り組みを進めていきます。

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安全な漁業労働環境の確保

漁業においては、グループ会社単位で安全な漁業労働環境の確保を進めています。漁船上の乗組員の安全確保を最優先に労働環境整備に努めるとともに、第三者性を確保することにより、透明化を図っています。

人権の尊重

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労働災害の発生状況

労働災害の発生件数

労働災害ゼロを目指していますが、まずは国内ニッスイグループ全体で年間100件以内を当面の目標とし、部門別・型別などでの災害件数(不休/休業・死亡)を主な指標としながら、度数率により業界平均との比較を行う体制を整備しています。

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
労働災害件数 147 123 133 121 128
(うち休業災害) 74 66 65 63 51
(うち死亡災害) 0 0 0 0 1

集計範囲: 持ち分会社を含めた国内ニッスイグループ(ニッスイ個別、ハチカン、モガミフーズ、北九州ニッスイ、日豊食品工業、十味惣、金子食品、クニヒロ、北海道ニッスイ、博多まるきた水産、山津水産、笹谷商店、稚内東部、弓ヶ浜水産、金子産業、黒瀬水産、西南水産、ファームチョイス、水産流通、三共水産、広島水産、横浜通商、チルディー、日本クッカリー、グルメデリカ、北陸フレッシュフーズ、西南水産、北海道ファインケミカル、キャリーネット、東京水産運輸、日水物流、ニッスイマリン工業、共和水産、長崎造船、日本海洋事業、ニッスイエンジニアリング)

度数率

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
度数率(注) 1.06 1.70 0.61 1.21 1.20
(参考)製造業(食料品、飲料、たばこ、飼料) 3.48 3.51 4.01 3.25 -

集計範囲: ニッスイ個別

(注):労働災害の発生率を表す安全指標の一つで、次の式で算出されます。度数率=休業災害被災者数÷延べ労働時間×100万時間

労働災害型別発生割合(2023年度)

【グラフ】2020年度 労働災害型別発生割合

集計範囲: 持ち分会社を含めた国内ニッスイグループ(ニッスイ個別、ハチカン、モガミフーズ、北九州ニッスイ、日豊食品工業、十味惣、金子食品、クニヒロ、北海道ニッスイ、博多まるきた水産、山津水産、笹谷商店、稚内東部、弓ヶ浜水産、金子産業、黒瀬水産、西南水産、ファームチョイス、水産流通、三共水産、広島水産、横浜通商、チルディー、日本クッカリー、グルメデリカ、北陸フレッシュフーズ、北海道ファインケミカル、キャリーネット、東京水産運輸、日水物流、ニッスイマリン工業、共和水産、長崎造船、日本海洋事業、ニッスイエンジニアリング)

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賃金と労働時間

生活賃金の支援

ニッスイグループでは、各国の最低賃金に関する労働法令およびその支払いに関する法令を遵守することはもちろん、地域相場も考慮し、一定の生活水準を維持できる生活賃金を支払っています。ニッスイにおける2023年度の平均年間給与は766万円です。

長時間労働の防止について

ニッスイでは、法令よりもさらに厳しく定めた労使協定時間などをふまえ、従業員が過重な勤務とならないように労働時間を管理しています。具体的には、勤怠管理システムにより職場で勤務時間の管理を行うとともに、人事部門でも月途中・月末に状況を確認し、必要に応じて警告を発することで管理を徹底しています。また、36協定の締結内容や勤怠管理システムへの入力方法などを説明した動画を配信することで労働時間管理に対する従業員の理解促進を図っています。さらに、フレックスタイム制やテレワークなど柔軟な働き方も推進しながら、過重労働による健康障害の防止に努めています。勤務実績によっては産業医・保健師による面談を行い、必要に応じて就業制限措置などを実施しています。

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ハラスメントの防止

倫理憲章の浸透

ニッスイの倫理憲章が定める倫理行動指針では、「風通しの良い闊達な風土を尊重し、健全な内部牽制が働くように努める」ことを掲げており、個人の基本的人権を尊重し、あらゆる差別やハラスメントを禁止するよう定めています。この倫理憲章を社内ポータルサイトに掲載し従業員と共有することで、ハラスメント防止の意識浸透を図っています。

ハラスメント防止施策

ハラスメントの発生を未然に防ぐため、ハラスメント勉強会(集合研修・eラーニングなど)を行っています。また、相談先としてハラスメントデスクを設置しており、問題に対応できる体制を整えています。

ハラスメント撲滅宣言

2020年6月1日、パワハラ防止法(労働施策総合推進法)の改正施行にあたり、社長よりニッスイ国内グループの全従業員に向けたメッセージとして、職場でのハラスメント撲滅を改めて強く呼びかけましたが、2022年4月1日、パワハラ防止法が中小企業も対象となる機会に従来に増してより強いメッセージをグループ各社も含めて伝えるために新たに「ニッスイハラスメント撲滅宣言」を発信しました。
ニッスイグループではこれからもハラスメント防止に向けたさまざまな施策を行い、「一人ひとりが、能力を充分に発揮できる姿」の実現を目指してまいります。

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労使関係

基本的な考え方

ニッスイグループでは、各国の法令に従った結社の自由、および団体交渉の権利を尊重しています。また法令等によって結社が認められていない国や地域においても、団体交渉の重要性を認識し、労使一体となった課題解決への取り組みを進めています。
ニッスイにおいては、労働組合(ニッスイアドベンチャークラブ)と労働協約を締結し、よりよい職場環境の実現に向けて従業員と経営とが誠実かつ積極的にコミュニケーションを図るとともに、健全な労使関係の構築・維持に努めています。また、ユニオンショップ協定の締結により、ニッスイにおける一般正社員の労働組合への加入率は100%となっています。

労使会議の実施

ニッスイにおいては、年度方針労使懇談会により社長以下全事業執行役員から、さらには事業別中央労使協議会において事業毎の担当役員から重要な経営上の方針や課題について説明し、また労働組合から現場の状況を踏まえた提言を受け、活発な議論を行っています。
さらに、労務安全衛生部会の議論を共有し意見交換に繋げる労使連絡協議会、事業所毎に会社と労働組合の代表による話し合いを行う安全衛生委員会、人事部門とさまざまな人事労務・労働安全課題について議論する労使検討委員会など定期的な会議の場を設け、加えて制度改定時や労務問題など必要が生じた際には都度、誠実な労使協議を重ねて、労使一体となった課題解決を目指しています。

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