Environment 環境

方針と推進体制

リード文

世界の水産資源は枯渇化が懸念されており、海の恵みを受けて事業を営むニッスイグループにとって、水産資源の保全と持続的な利用は喫緊の課題です。資源状態を確認した水産物の取り扱いや、環境負荷の低い養殖技術の開発、水産エコラベル認証の取得を通じて、中長期のサステナブルな事業構築を推進します。将来にわたってマーケットの需要に応えられるよう、持続可能な水産物の利用に努めます。

system, 株式会社ニッスイ サステナビリティ推進部, 外部協力者, 株式会社ニッスイ コーポレートコミュニケーション部, 株式会社ニッスイ 人事部人事課

ニッスイグループ持続可能な水産物調達方針

地球や海が育む豊かな資源とともに事業を営む私たちには、その恵みを将来の世代に引き継ぐ責任があります。
中でも、当社グループのビジネスが大きく依存している水産資源は、近年、気候変動、乱獲や混獲、生息域の環境悪化に直面しており、さらにサプライチェーンにおいては人権課題も指摘されています。これらの課題の解決には、関わるすべてのステークホルダーによる具体的な取り組みが求められています。
私たちは、長年培ってきた知見と技術、そして世界に広がるネットワークを活かし、ニッスイグループ調達基本方針のもと、水産物調達方針を定めて、サプライチェーンに関わる関係者と協力し、持続可能な水産物の調達を進めます。そして、これらの内容について、環境や社会課題の変化を踏まえて定期的に見直しを行うとともに活動の進捗を公開することで、海洋や生態系の健全性を守り、海の恵みを未来へつなげていきます。

対象

天然・養殖水産物 (自社グループ操業・養殖分を含む)

1. 資源の持続性確保

科学的な調査や資源評価に基づき、資源量や漁獲量が適切に管理されている漁業から調達します。

2. トレーサビリティと透明性

サプライチェーン上で、漁獲場所や漁船情報を含む関連情報を追跡できる仕組みが備わる水産物を調達します。

3. 環境保全への配慮

漁業においては、海洋環境および生物多様性への負荷を抑制する漁法で獲られた水産物を調達します。
養殖においては、周辺環境および生物多様性への負荷を軽減する方法で養殖された水産物を調達します。

4. 社会的責任の尊重

労働環境や人権リスクなどを国際基準に基づき評価し、是正対応を取るサプライヤーから調達します。
取引先や地域社会と継続的に協議・協働して、課題解決に取り組みます。

5. 違法・不正行為の排除と法令遵守

漁業・養殖に関連する法令・規制を遵守しているサプライヤーから調達します。
IUU漁業(注1)、CITES(注2)違反、重大な人権侵害(強制労働・児童労働等)などの違法行為に合理的な懸念があるサプライヤーからの調達を禁止します。

6. 持続可能な認証制度の活用

GSSI(注3)が認定する第三者認証を取得した水産物、またはFIP(注4)・AIP(注5)による改善が進む水産物を優先的に調達します。

(注1)IUU漁業:Illegal(違法)、Unreported(無報告)、Unregulated(無規制)に行われている漁業のこと。
(注2)CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)。
通称「ワシントン条約」。
(注3)GSSI:Global Sustainable Seafood Initiative。持続可能な水産物認証プログラムを検証する国際パートナーシップ。
(注4)FIP:Fishery Improvement Project(漁業改善プロジェクト)。
(注5)AIP:Aquaculture Improvement Project(養殖改善プロジェクト)。

制定日 2025年12月11日

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ニッスイグループ絶滅危惧種(水産物)の調達方針

ニッスイグループは、生物多様性に関わる条約や法令の遵守とともに、自然との共生社会の実現に貢献します。特に絶滅の危険度の高い水産物に関しては、2030年までに資源回復への科学的かつ具体的な対策が取られない場合には、調達を停止します。

資源回復への科学的かつ具体的な対策

  1. 1.MSC等の認証漁業品(GSSI認証相当)または、FIP(注1)漁業品
  2. 2.RFMO等の国際的な資源管理団体による科学的な漁業管理
  3. 3.ODP(注2)が定める基準で「Managed」以上の評価
  4. 4.その他、上記1-3の実現に向けて、具体的な施策を実施している場合

(注1)FIP:Fishery Improvement Project(漁業改善プロジェクト)。
(注2)ODP:Ocean Disclosure Project。SFP(Sustainable Fisheries Partnership)が2015年に設立したシーフードの調達を自主的に開示するためのオンライン報告プラットフォーム。

制定日 2024年2月20日
改定日 2025年12月11日

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推進体制‐水産資源持続部会

水産資源持続部会は、ニッスイグループで取り扱う水産品の資源状態の把握と資源の持続的利用の推進を目的とし開催されています。SeaBOSをはじめNGO団体や大学等の研究機関など各種団体と連携しながら、水産資源の持続性向上の取り組みを行っています。

【図版】推進体制‐水産資源持続部会
サステナビリティ委員会
  • 委員長:代表取締役 社長執行役員(CEO)
  • メンバー:全執行役員、社外取締役
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 報告先:取締役会
  • 開催頻度:年6回
水産資源持続部会
  • 部会長:執行役員(水産事業副執行)
  • メンバー:執行役員(品質保証部・お客様サービスセンター・サステナビリティ推進部管掌)、執行役員(食品事業副執行、生産部門・サプライチェーンマネジメント部管掌)、水産事業第一部、水産事業第二部、水産事業第三部、水産事業第四部、漁業養殖推進部、中央研究所、FC事業部
  • 事務局:サステナビリティ推進部
  • 開催頻度:年4回
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目標と実績

長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」/中期経営計画「GOOD FOODS Recipe1」および「GOOD FOODS Recipe2」における目標と実績は下記の通りです。

指標 対象範囲 実績 KPI
2022年度 2023年度 2024年度 2024年度目標
中期経営計画
「GOOD FOODS Recipe1」
2024年度目標
中期経営計画
「GOOD FOODS Recipe2」
2030年度目標
長期ビジョン
「GOOD FOODS 2030」
持続可能な調達比率 ニッスイグループ - - 75% 80% 85% 100%
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