品質保証に関する理念や方針のもと、美味しく安全で、安心していただける商品をお届けするため、あらゆる面から取り組みを行っています。お客様に満足していただける「品質」のため、欠かすことのできない私達のこだわりです。
全ての従業員が食品メーカーの一員として、自分の果たすべき品質への役割を認識し、より高いレベルの知識を身に着け行動できるよう、各種教育を行っています。
品質保証部は商品に携わる従業員が必要な知識を正しく習得できるよう、定期的に研修を行っています。内容は毎年必要に応じて見直し、常に最新情報の共有に努めています。また、工場に勤務する従業員のみならず、営業担当者も品質研修を受講します。
2020年度以降は動画配信型の講座や、オンライン上の研修を導入しています。動画配信型の講座では、受講生が各自で動画を視聴し課題(小テスト)へ取り組み理解度確認を行います。 講座受講中には受講生の上長や先輩社員がフォローするなど、さらなる理解度の向上につなげています。
研修名 | 対象者 | 研修内容 | 研修手法、期間 | 参加者数(人) | ||
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2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||
オンライン HACCP講座 |
現場管理者 | HACCPに関する基礎知識の習得、および生産現場におけるHACCPの活用
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全20個の動画(動画1つにつき約10~20分)を3部構成で配信。 各自、動画の視聴と課題に取り組んでもらい、計5カ月間で完結。 |
68 | 66 | 92 |
生産工場の 品質教育者講座 |
工場長、品質管理責任者、現場統括など工場の品質教育を推進する立場の人 (「オンラインHACCP講座」の受講生を教育する立場の人) |
生産現場のリスク管理の考え方の習得、および現場管理者への品質教育に関する講義動画の視聴、実践 | 全8個の動画(動画1つにつき約10分~25分)を2部構成で配信。 各自、動画の視聴と課題に取り組んでもらい、計2カ月間で完結。 |
83 | ― | 71 |
品質管理 基礎研修 |
工場担当者 (主に入社10年目以内の人) |
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オンラインでの講義、確認テストの実施。1日で完結。 | ― | ― | 111 |
営業担当者 品質研修 |
全営業担当者 |
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受講者に資料を配信し、webテスト(eラーニングシステム)で理解度確認。計4カ月間4部構成で完結。 | ― | ― | 69 |
原材料規格保証書に関する研修 | 商品の開発部署など原材料規格保証書の入手部署の新規担当者 | 原材料規格保証書の構成、注意事項、問題事例の内容理解 | 対面&オンラインでの説明会 | 54 | 161 | 89 |
原材料・表示関連の基準研修 | 開発部署・原材料調達部署・生産推進部署、生産工場の開発・品管・購買の担当者など | 原材料や表示に関連する品質保証基準の内容理解 | Webテスト(eラーニングシステム)で内容説明と理解度確認 | 68 | 311 | 329 |
原材料・表示トピックスに関する研修 | 商品の開発、生産、販売、その他関連部署 |
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Webテスト(eラーニングシステム)で内容説明と理解度確認 | ― | 229 | 458 |
実際に製品に触れ、製造を担う工場の従業員には、より現場に即した教育を行っています。就業初日の新人であったとしても品質を守る担い手には違いありません。少しの妥協も許さない。そんな生産現場を従業員全員で作り上げています。
従業員として工場に入る前には必ず受講する基本的な研修です。労働安全に関わることはもちろんのこと、服装、工場入場のルール、手洗いなど、品質を守る従業員の一員として知っておかなければならない基本を学びます。
工場は毎日稼働し、たくさんの商品を製造しています。現場の従業員は、出勤後必ず現場のリーダーから品質に関するトピックや注意事項の連絡を受けます。毎日動く生産現場の中で、全員に確実に伝わるようにしています。
原材料を受け入れ、製品を製造する工場の現場。お客様にお届けする商品の品質は厳しく管理された生産現場から作り出されます。
生産現場に入る従業員は全員、決められた作業服を着用します。その作業服にも品質を守るための役割があります。
工場に入る時には、必ず守るべき段取りがあります。どんなに急いでいる時でも、これらのルールを守ります。
毎日の健康状態をチェックします。熱はないか?下痢はしていないか?手に傷はないか?など、複数の確認項目にチェックをしてから入場します。誰か一人の体調不良により、製品が汚染されることがあってはいけません。毎日、自分の体調を整えておくことも工場で働く人にとって重要な使命です。
作業服に付着している毛髪を粘着性のあるローラーで取り除きます。
ローラーのかけ方にもルールがあります。日本語が読めない外国の方でも分かるようにイラストでわかりやすく表示されています。また、鏡を見ながら着衣の乱れ、毛髪が帽子からはみ出ていないかなども確認します。
食品を取り扱う人にとって、重要な手洗いにもルールがあります。指定時間をタイマーで計りながら手洗いをします。ここにもイラストや写真でわかり易く、そのルールが掲示されています。
工場で働く人は何も持たずに工場内へ入るのが基本です。しかし、記録や写真をとるなど、業務上必要な場合には持ち込み可能物に限り、工場への持ち込みが許されます。万が一、破損して製品の中に入ってしまわないように、全て金属製のものが指定されています。
*製品は全て最終工程で金属探知の検査があるので、金属が混入していれば見つけられます。
工場内では様々なチェックを行います。原材料の種類、計量、配合、順番、時間、加熱温度、冷却温度、包装印字、機械の調子など、1つの製品を製造する過程でも数十個の項目があります。それらのチェックは人と人。機械と人。など、全てダブルチェック体制で行っています。さらにその後、記録表を管理者が確認します。
一人の人だけがチェックをするのでは、ミスも起こり得ます。機械にのみ頼っていては故障している可能性もあります。万が一を疑いつつ、常にどんな場面でも複数の目で行う体制を整えています。
多くの従業員が広いスペースで働く工場なので"いつもと違うこと"にはいち早く気が付かなければいけません。その為に、工場内にカメラを設置し、従業員の正しい仕事を見守っています。
さらに、洗浄や検査で使用する洗剤や薬剤を保管する保管庫は必ず施錠管理を行い、限られた人のみが鍵の使用を許されます。この時にも開錠・施錠の記録を取ります。
また、誰がいつ、工場に入場したのかを把握できるよう、静脈認証や指紋認証で管理をする生産工場も複数あります。ニッスイグループの国内工場では、このシステムを導入していきます。
ニッスイは安全性が確認できた原材料だけを使用して、商品を製造しています。原材料から製品になるまで、段階ごとに基準を満たしていることを確認するための検査を行っています。その項目や検査方法は多種にわたり、専門的な知識と技術が必要になります。そこで検査員がいつも正しい検査が行えるよう、必要な知識と検査技術を身につけることのできるシステム「エクセレント・ラボ」活動を展開しています。
全国各地のニッスイグループの生産工場には必ず検査室を設けています。その検査室の信頼性を向上させるために、食品分析部が中心となり、エクセレント・ラボ活動を展開しています。共通の検査マニュアル、設備基準の設定、検査員の技術認定、精度管理試験、レベル別講習会などを行い、エクセレント・ラボ全体のレベルアップを目指しています。エクセレント・ラボの活動は、日本国内だけでなく中国などの一部海外工場でも導入しています。
記載内容は定期的に見直され、常に最新版を各検査室で確認できるようになっています。全ての検査室で同じ精度の検査が行えるように、培地はエクセレント・ラボ専用培地を用いており、試薬も指定されています。この培地は分包タイプで個包装されており計量せずに使用できるので、検査員のミス防止や時間短縮に役立っています。
どこの工場でも一定の知識と技術を身につけた検査員が検査を行えるように、検査員を登録し、一人ひとりの技術を認定しています。初めて検査室に配属された新人は、検査室内のOJTプログラムにより指導を受けます。一通りの検査を一人で出来る検査員をA級検査員とし、経験を積んで習熟した検査員をM級検査員、さらにレベルの高い検査まで行える検査員をE級検査員と認定しています。それぞれの検査員に昇格する為には筆記と実技の試験を受験します。2023年度はM級認定講習会、E級認定講習会を開催し、多くの検査員が昇格しました。
定義 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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A級検査員 | 定められた検査が実施できる | 36 | 34 | 45 |
M級検査員 | A級を目指す検査員の指導ができる | 59 | 60 | 53 |
E級検査員 | 難易度の高い検査を習得し必要とする全ての検査について習熟している | 22 | 25 | 30 |
エクセレント・ラボでは、検査員同士の交流や情報交換など、コミュニケーションを重視しています。日本各地の会場に検査員たちが集まり、定期的にエクセレント・ラボ推進会議を開催しています。2023年度は対面とオンライン合わせて12回開催し、97名の検査員が参加しました。検査方法や判定基準の目線合わせや新しい検査技術の情報共有などを実施し、検査員同士がコミュニケーションを取り合うことで、検査レベルの維持・向上に努めています。
検査室の検査精度を確認するため、年1回、精度管理試験を実施しています。食品分析部から配布された試料を各検査員が検査し、その検査結果を食品分析部が統計解析のうえ、各検査員にフィードバックします。結果は、検査室の技量の継続性確認や、検査手順の改善に役立てられます。
日本に輸入される製品を生産している海外工場でも同様のシステムによる検査室の指導が行われています。中国では青島日水食品研究開発有限公司、タイでは品質保証部タイ品質管理課を中心に現地工場への検査指導を実施しています。
お客様の声を直接お聞きすることを大切にしています。また、お客様に正しい情報を伝えることも重要と考えています。より一層ご満足いただくため、お客様の声を活かしてより良い商品作りを目指します。
商品を手にして下さったお客様と直接お話をするのはお客様サービスセンターです。現在は電話とメールで対応しています。ご不満だけでなく、質問や確認、お褒めの言葉をいただくこともあります。どのような内容であっても、その一つ一つの声は私達にとって貴重な情報となります。
お客様サービスセンターの連絡先: 0120-837-241
お客様からいただいた声を共有する「お客様満足推進部会」を年6回開催しています。ここで話し合われた内容から、実際の商品の仕様が変更になったものも数多くあります。一般のお客様だからこそ気が付く視点を大切にし、より良い商品作りに活かしています。