高齢化が進む中、健康な状態で生活を送ることのできる期間「健康寿命」延長の重要性が高まっています。
食塩(塩化ナトリウム)は、人間に不可欠な栄養成分であるだけでなく、食べ物や飲み物の「おいしさ」という面でも重要な役割を担っています。ただし、その摂り過ぎは高血圧をはじめとするさまざまな病気を引き起こすと言われています。
そこで生み出されたのがニッスイ独自の塩味増強技術です。これまでは食塩の使用量を低減すると、飲食品のおいしさが損なわれてしまうことがありました。しかし、この技術では塩味を底上げする素材を添加し、それによって食塩の使用量を低減しても塩味をしっかり感じることができます。塩分をひかえながら、塩味のおいしさを味わっていただける技術です。
ニッスイは2009年から内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムに協力企業として参画し、白身魚の機能性を研究してきました。スケソウダラのタンパク質は、この研究からさまざまな有用性が明らかになってきています。
2018年3月にはスケソウダラタンパク質研究会を設立し、12の大学や研究機関と研究体制を整え、共同研究を行ってきました。2019年10月に開催された日本アミノ酸学会においては、本研究会で得られた研究成果5件を発表しました。
年平均で1.0~2.0%の除脂肪量(筋肉量の指標で、臓器と筋肉を含んだ総量)が減少するといわれる65歳以上の女性を対象としたヒト臨床試験(単群比較試験)において、運動は行わず、通常の生活で3カ月間スケソウダラのタンパク質を週に4日摂取した結果、摂取後に除脂肪量の増加が確認され、筋肉の増加が示唆されました。
持久力向上など、EPA(エイコサペンタエン酸)の運動への効果に注目し、研究と普及・啓発を進めています。2017年8月の「全国栄養士大会」(日本栄養士会主催)では、EPAによって体への酸素供給効率が高まる仕組みを解説。また、2013年の日本マスターズ水泳協会への協賛をきっかけに、スポーツ選手をサポートする「SPORTS EPA」ブランドとして展開しています。